「副業の利益が20万円以下なら確定申告しなくていい」という情報を見て、本当に何もしなくていいのか不安になっていませんか。
結論から言うと、所得税の確定申告は不要でも、住民税の申告は別途必要です。
この違いを知らずに放置すると、後から市区町村から問い合わせが届くこともあります。
この記事では、会社員が見落としやすい2つの申告制度の違いと、自分がどちらに該当するかを判断する手順を整理します。
20万円以下で「申告不要」になるのは所得税だけ
副業の利益が20万円以下なら確定申告は不要、というルールは所得税に関するものです。
住民税には同じルールが存在しません。ここを混同すると「何もしなくていい」と誤解してしまいます。
所得税の確定申告不要ルール
国税庁のタックスアンサー(No.1900)によると、給与所得者が確定申告をしなくてよい条件の一つに「給与所得および退職所得以外の所得金額の合計が20万円以下」があります(2025年5月時点)。
副業の「所得」とは、売上から必要経費を引いた利益のことです。
売上が25万円でも経費が6万円なら所得は19万円となり、この条件を満たします。
住民税には20万円ルールがない
住民税は市区町村が課税する地方税であり、所得税とは別の制度です。
総務省の説明(2025年5月時点)でも、住民税は前年の所得に基づいて課税されると記載されています。
所得税の確定申告をすれば、その情報が市区町村に共有されるため住民税の申告は不要になります。
しかし確定申告をしない場合、市区町村は副業の所得を把握できません。
そのため、住民税の申告を自分で行う必要があります。
住民税を申告しないとどうなるか
住民税の申告をしなかった場合、すぐに罰則があるわけではありません。
ただし、市区町村が所得を把握できないと、後から問い合わせが届いたり、国民健康保険料の算定に影響が出たりする可能性があります。
市区町村からの問い合わせ
副業の支払元が「支払調書」を税務署に提出している場合、その情報が市区町村に共有されることがあります。
市区町村側で「申告されていない所得がある」と判明すると、確認の連絡が届くケースがあります。
故意に隠したわけではなくても、説明や追加の手続きが必要になります。
国民健康保険料への影響
会社の健康保険に加入している会社員には直接関係しませんが、退職後に国民健康保険に切り替える際、前年の所得が保険料の算定基準になります。
申告漏れがあると、後から保険料が修正されることがあります。
自分が申告すべきかを判断する3つのステップ
副業の利益が20万円以下でも、住民税の申告が必要かどうかは以下の手順で判断できます。
- 副業の「所得」を計算する。売上から経費を引いた金額が所得です。
- 所得が1円以上あれば、住民税の申告対象になります。
- 所得が20万円を超えていれば、所得税の確定申告も必要です。確定申告をすれば住民税の申告は不要になります。
つまり、所得が1円〜20万円の範囲にある会社員は「確定申告は不要だが、住民税の申告は必要」という状態になります。
経費として認められるもの
副業の経費には、仕事に直接使った費用が含まれます。
クラウドソーシングの手数料、仕事用に購入した書籍やソフトウェア、通信費の一部などが該当します。
プライベートと兼用のものは、仕事に使った割合だけを経費にできます。
領収書やクレジットカードの明細を保管しておくと、後から計算しやすくなります。
住民税の申告方法と提出先
住民税の申告は、1月1日時点で住んでいた市区町村の役所に行います。
申告期限は確定申告と同じく、翌年の3月15日です。
必要な書類
- 住民税申告書(市区町村の窓口またはウェブサイトで入手)
- 副業の収入と経費がわかる資料(支払調書、売上明細、経費の領収書など)
- 本人確認書類
- マイナンバーがわかるもの
申告書の様式は自治体によって異なります。
住んでいる市区町村のウェブサイトで「住民税 申告」と検索すると、様式のダウンロードページや記入例が見つかります。
普通徴収を選ぶと会社に届きにくい
住民税の申告書には、副業分の住民税を「特別徴収(給与天引き)」にするか「普通徴収(自分で納付)」にするかを選ぶ欄があります。
普通徴収を選ぶと、副業分の住民税は自宅に届く納付書で支払うことになり、会社の給与明細に反映されません。
会社に副業を知られたくない場合は、この欄で普通徴収を選ぶことが対策の一つになります。
ただし、自治体によっては普通徴収を選んでも特別徴収にまとめられるケースがあるため、確実ではありません。
【編集部の見解】
副業1年目で利益が数万円〜20万円弱の場合、まず住民税の申告を忘れないことが最優先です。
確定申告が不要だからといって何もしなくてよいわけではありません。
住んでいる市区町村のウェブサイトで申告書の様式を確認し、3月15日までに提出する準備を進めるのが現実的だと考えます。
この記事の対象外となる人
以下に該当する場合は、この記事の内容だけでは判断できません。
- 副業の利益が20万円を大きく超えている場合:所得税の確定申告が必要です。確定申告ソフトの比較記事(確定申告ソフト比較)を参考にしてください。
- 個人事業主として開業届を出している場合:事業所得として扱われ、申告のルールが異なります。
- 医療費控除やふるさと納税の還付を受けたい場合:確定申告をすることで還付が受けられます。この場合は副業の所得も含めて申告するため、住民税の申告は不要になります。
次の一歩
- 副業の売上と経費を集計し、所得が20万円以下かどうかを確認する
- 住んでいる市区町村のウェブサイトで住民税申告書の様式を入手する
- 会社に知られたくない場合は、普通徴収の手続きを確認する(住民税を普通徴収にする手順)
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免責事項
この記事は2025年5月時点の情報に基づいて作成しています。税制は変更される可能性があるため、最新の情報は国税庁や市区町村のウェブサイトでご確認ください。個別の税額計算や判断については、税理士などの専門家にご相談ください。副業を始める際は、勤務先の就業規則を確認してください。
